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「僕」は通勤電車でスマートフォンで少年愛動画を見るだけのいたって善良な市民だ。そんな僕と彼が出会ったのはほんの偶然だった。しかし彼が僕の動画に激しい興味を示したのは、偶然どころか彼に類まれな素質があったからだ。
僕は実に善良な市民だが、彼の素質を育ててやる責務がある。
動画と共に堕してゆくのは彼なのか、はたまた僕自身なのか。「大人が寝た子を起こさない現代という時代があるだけの話で、寝た子は起こせばちゃんと起きる」(本文より)
進化しすぎた電子文化が産み出した「集団の中の孤独」がもたらす結末。
それでも僕たちは、共有する。
(23579文字)