SearchFavorite
PR

漂流 小玉オサム作品集(23)

DiGiket.comSM同人

メーカー小玉オサム
再生デバイスパソコン, iPhone/iPad, Android
サークル/監督小玉オサム文庫
ジャンルガチ系同人, 小説
形式PDF
関連作品

『漂流』

飛行機事故に遭い、絶海の孤島に流れ着いた父と息子。そしてもう一人、生き残った青年。

男三人で救助を待つが、水平線に船の姿はなく、空に飛行機の影もない。

サバイバル生活が続く内に、青年が父を誘惑する。拒んでいた父もやがて男同士の関係を受け入れはじめ……。

ゲイ官能SM小説。

初出『Super SM-Z』。

『真夜中の足音』

・・・・

あれはいつも真夜中のことだった。十代の終わり、家を出る少し前だ。いびきをかいて眠っていても、あの足音を聞くとはっきり目が覚めてしまった。暗い部屋の中に廊下の常夜灯の明かりが差し込んできて、私は布団の隙間から顔を出し、目をしばたかせるのだった。するとのっそりと、巨大な影が部屋に入ってくる。
「声を出すなよ」
息を殺した低い声だった。影は畳をミシミシといわせて私の布団をめくり、隣に潜り込んできた。酒臭い息の匂いがした。ごつい手が体を撫でた。
「いやだ」
私はかすれ声で言った。ごつい、煙草臭い手が私の口を押さえた。
「静かにしろ。声が出るなら、これで栓をしてやる」

・・・・

四十五になった主人公の私は二十数年ぶりに実家に戻ることになった。父と、年子の兄の二人で暮らしている家だ。
この数十年の間、見続けている奇妙な夢があるのだが、夢の内容は覚えていない。ただ同じ夢を見たという感覚だけが目覚めた時にある。それが淫夢であることはわかっていたが、実家に戻り、父、そして兄と暮らすようになってはじめて、夢の内容とその意味を知ることになる。
私は真夜中の足音をおそれていたのか、それとも待ちわびていたのか……。

初出『豊満』。官能サスペンス中年小説。

三回に分けて連載されたものをひとつにまとめてあります。

『夫たちの運動会』

娘の通う幼稚園の運動会。主人公の山一と妻の間には険悪なムードが漂っている。親子で参加する玉転がし競争を待っている時、すぐ後ろに並んだハゲ頭の後藤と言葉を交わすが、タイプと思っても山一にその気はなかった。しかし後藤は競争の後、山一の肩をつかんで誘う。幼児用の小さなトイレで二人は関係を持つ。

後藤には二十近く年下の妻がいて婿入りしている。夫婦仲はいいが、その陰で男遊びを続けてきたらしい。山一は結婚以来、四年ぶりの男の肌の匂いに興奮し、妻との不仲のせいもあって、後藤にいれあげていく。

不穏な空気が濃厚となるほどに、夫たちの性の関係は激しさを増していく。

初出『サムソン』。

前後編の二回で掲載されたものをひとつにまとめてあります。