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彼はエースという重要性ゆえに「その知らせ」から遠ざけられた。彼はそんな自分が、どうしても許せない。
県立高校で野球部員。二年生エースの青野は、主将で捕手の「巧センパイ」とバッテリーを組んでいた。
誰よりも熱心で練習に打ち込み後輩にもやさしく、見た目からしてタイプの巧に、青野は次第に心が惹かれていく。
ノンケへの恋慕という、はかない希望。青野は報われなくてもよかった。
ただし青野の心は「とある事情により」壊れ、壊されて高校卒業時には青野はすでに別人のようになっていた。巧センパイはもう手の届かない存在になってしまっていたんだ──。
※横書きのゴシックフォント版と縦書きの明朝フォント版が入っています。
※本文は13000文字ほどです。
※ハッピーエンドではありません。確定バッドエンドというわけでもないですが……。
主な登場人物
青野 漣(あおの れん) 現在は二十三歳。ものすごく仕事はできるが、人間関係がやや希薄。高校時代になにかあったのではないかと予想されている。
志島 巧(しじま たくみ) 青野のひとつ上の世代で捕手、主将だった。青野の憧れ、というよりも初恋の相手である。