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兄弟が、兄弟じゃなくなるその夜──。
「ウゼェんだよ、兄貴なんて──！」小さな頃から喧嘩ばかりの兄・遥とは、口を開けば取っ組み合い。
けれど高校の卒業式、その夜を境に“兄の目”が変わった。
怒鳴りもせず、小突きもせず、ただ黙って俺を見つめてくる──その視線の奥に、
触れてはいけない何かが潜んでいることに、気づくのは遅すぎた。秘密の夜。言葉にならない熱。
家族にも、誰にも言えない関係。「なあ、もう“兄貴”って呼ぶの、やめねぇ?」
その言葉が檻への入り口だった。
その日から、兄貴の目が変わった
