
平日を抜け出して、ふたりで向かった熱海。商店街で揚げたてのコロッケを食べて、海沿いの遊歩道を肩を並べて歩く。笑い声の向こうには、制服姿の学生たち。『俺たちも、あんなだったっけ』と笑いながら、少しだけ羨ましそうに見つめる自分に気づく。でも、今のほうがずっと楽しい。だって、大人になった今のほうが、ちゃんと「一緒にいたい」と思えてる。夜はヴィラでふたりきり。酒を飲んで、ふざけて、ベランダで海を見ながら笑い合う。「これ、青春って言ってもバレないよな」「バレないバレない。むしろ、今のが本番でしょ?」明日のことなんて考えない。今だけ、ふたりの『特別な青春』を燃やす夜が始まる。