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「また、君に会えるなんて思わなかった。」夏のお台場。仕事終わりにぶらついていたゼンが出会ったのは——数ヶ月前、◯った勢いで一度だけ関係を持った相手、ハルマだった。「あの夜」のことは、お互いに忘れたふりをしていたけれど、どこかぎこちなくて、でも自然に溶けていく会話。缶ビール片手に海辺を歩きながら、ふたりはもう一度、少しずつ距離を縮めていく。「友達と来るはずだったんだけど、急にキャンセルされちゃって……」「へぇ、じゃあ今日の俺は“代打”か」「……そんな言い方しないでくださいよ」ふざけたような、照れたような笑い声。観覧車、縁日、レインボーブリッジの夜景。そして自然と足が向かうのは、ゼンが泊まっているホテルの方角だった。これは、偶然じゃない再会の話。そして、2度目のキスから始まる、終わらない夜のこと。