

西洋の町並みと、現代の日本の町並みが入り交じった街「シブヤ」。
その建物の間の裏路地で、ゴミ捨て場に倒れていた少年“ジュンナ”が目を覚ます。ジュンナは、いったい自分は誰なのか?
なぜここにいるのか?
ここは何処なのか?
……自分の事が、全くわからなかった。狼狽する彼の前に、静かに浮かぶ、“ヒナ”と名乗る少女が自分の目の前に現れる。
彼女の「探して……」という言葉に、「何を?」と尋ねるも、急に近づいてくる走る足音に彼女の姿は壁の中に消えてしまう。
ジュンナが足音の方を振り向くと、流れるような銀髪。
黒く風に舞う外套をまとう一人の男とすれ違う。彼と目があった瞬間。
彼の心の中に浮かび上がるのは、郷愁にも似た感情だった……。