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少年愛者でありゲイでもある浩人は決して少年に恋はしない。ただ○○をする
だけである。そしてかつて共に暮らした恋人は十年以上前にこの世を去ってし
まった。
名を龍之介という。龍之介も少年愛者であり、かつてはマンションに少年を連れ込み○○の限りを尽くしていた。それこそが二人の絆であったのだ。
ある日浩人は龍之介に面影が似た少年を引っ掛ける。彼の名は龍太。他の少
年らと同じく、飽くまで快楽をむさぼるだけの関係になるはずだった。
しかし龍太は他の少年と違うものを持っていた。それは前世の記憶だった……かつて体験し尽くした淫蕩の空間を再び味わおうと、龍太よりさらに下の世代
から引っ掛けて、まだ何も知らないいたいけな脳を快楽追求機械に成り果てる
まで狂わせてゆく。
そんな歪んだ幸福を古い記憶が復讐をしにやってくる。明かされる事実、不可
解な謎、不透明な未来、何もかもが了解されたおだやかな日は来るのか、それ
とも記憶に滅ぼされるのか。幸せになれないように生まれついた存在が行き着く先があるとするのなら……
約35000字。著者渾身の一作です。