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「やろうとしたけど、出なかった」
「普通にやったんだろ?」
「普通ってなに?」
「だからその……、友だちとはそういうこと話さないのか」
「友だちがしてるって話は聞いてるけど、自分じゃ話せないよ、恥ずかしいじゃんか」
こんなことを父親に話すなんてやっぱりおかしかったのかもしれない。自分がとても悪いことをしている気がしていた。
「とにかく、父さんに話してくれてよかった」
父さんがまっすぐ僕の顔を見つめていた。怒ってる感じじゃない。
「え?」
「父さんうれしいぞ」
「なに言ってんの?」
よくわからなかった。だけど、父さんがすごく気を遣ってくれているのはなんとなく伝わってきた。
「このこと、母さんには言わないでよ」
「わかってるって」
「信用していい?」
「もちろんだ。男同士の話だしな」
父さんは真面目な顔でうなずいていた。話してよかったと僕は思った。急に、父さんがすごくたのもしく見えてきた。味方になってくれたという感じがする。
だから思い切って言ってみたのだ。
「ねえ、父さんはちゃんと出るんだよね。……出すところ見せてくんない?」★ ★ ★
お父さんにしか話せない息子の悩み。そして、年頃の息子を持つ父親の苦悩。
父と息子の性教育はどこに向かうのか……。精通がこないと年頃の息子に相談され、苦悩する父親、鈴木。
息子のためと思い、せんずりのかき方を教えることになるが、かいてるところを見せても、かかせても息子がイカず、ついに父の手で息子に手ほどきをすることに……。(パート(1))鈴木の同僚である山本もまた、実の息子から性の悩みを聞かされる。
息子は彼女もいて体の関係もあるらしいが、息子の性欲があまりにも強すぎて彼女一人では物足りないのだという。山本自身も妻を亡くして以来、女もつくらずせんずりもかかずの禁欲生活で、中年期にありながら夢精をくりかえしていた……。(パート(2))二組の父と息子の物語。
性急に求める息子たちと戸惑いっぱなしの父親二人。
紆余曲折ありますが、はたして……。アマゾンKindleストアにて書き下ろした、全五話のゲイ官能小説を一冊にまとめてあります。
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親父は口の中に出しても嫌がらなくなった。(パート(4)より)
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父と息子で手コキ、キス、フェラ、アナルといろいろやりますが、親子の信頼と愛が全編を貫いてます。いたって真面目な男たちの物語。