

「俺も脱ごう。男同士の裸のつき合いだ。それなら恥ずかしくないはずだ」
「え、いや、それは」
大学体操部コーチの熱血指導を受ける部員。やがて彼の心身には、淫らな火照りが疼き始めて…。月刊ゲイ雑誌・G-men No.217に掲載された、○○と興奮の体育会ストーリー! 羞恥に溺れる男×男の官能を描き続け、情感溢れる性描写で人気を集める作家・あすかともゆきによるゲイ官能小説!
体操部一年の貴明は、コーチから一対一の熱心な指導のもとで、トレーニングに励んでいた。コーチは「俺の動きを君自身の体に置き換えて観察するんだぞ」と、全裸になって両足を百八十度近く開き、指導を続ける。戸惑う貴明であったが、もっと近づいて観察しろと命じられ、露わになった股間、臀部、肛門を、目の前にして…。
貴明は先輩の原田から、コーチと二人きりの特訓について尋ねられる。動揺する貴明に、原田は次の特訓は覚悟しておけと告げるのだった。「おまえが女になるってことだ。コーチに抱かれるんだよ」ショックを受ける貴明であったが、先日の特訓以降、女性よりも男性の裸に性的な関心を寄せるようになっており…。
そして二度目の特訓が始まる。コーチは、「前回は俺が筋肉の動きを見せた。今度は君の番だ。全部脱いですべてを見せるんだ」と貴明に告げる。貴明は裸体のまま、マットに尻を着けて座ると、両足を最大限まで開いて…。「なめらかさがまったくないぞ。ダメだ」緊張で体を固くする貴明に、コーチは叱責と共に次なるポージングを命じる。それは、仰向けで肛門を晒す姿勢になってしまい…。
さらに激しさと淫らさを増す、二人の秘密特訓。そして、先輩の原田から明かされる部の秘密。果たして、貴明を待つものは…。
『「股関節に意識を集中させろ」
的確なアドバイスが飛ぶ。
「鼠径部の筋が伸びる様子を想像しろ」
キャンパスは早くも忍び寄る初夏の気配に満ちていて、まぶしいほどの光線が部室のガラス窓に当たっている。五日前にオレンジ色の夕陽がコーチの裸体を照らしたように、今は午前の明るい陽光が大股開きの貴明の股間を炙(あぶ)っている。
「ケツの割れ目を開くんだ」
毛穴から汗が噴き出る。太股や尻たぶに浮かんだ汗の玉が皮膚を滑り、尻の谷間に集まって光り出す。
「ケツ穴はちゃんと閉めてるか?」
太股から手を放したコーチは、垂れ下がっている玉袋をいきなり持ち上げ、その後ろに隠れていた肛門を覗き込んだ。
「力を抜くのはいいが、どんな時もケツ穴だけはしっかりと締めるんだ。そうしないと姿勢がだらしなく見える」
コーチの表情は真面目だ。それが貴明の羞恥心を一層強めた。冗談で尻穴を見られる方が救いがあるような気がした。
「どれ、確かめてやる」
そう言い終わるよりも早く、コーチは人差し指を引き攣っている肛門に当てた。』(本文より)