
『先輩後輩をやめた夜。はじめての朝。』野球部の先輩後輩だった、リクとレイ。同じ高校、同じ寮、同じチーム。男子校というちょっと特殊な環境に慣れてはいたけれど、――まさか自分たちが“そっち側”になるなんて、想像もしてなかった。リクが高校時代から付き合っていた彼女と別れた夜、行きつけのバー「シコティッシュ」にふらっと現れたのは、あの頃からずっと変わらない“後輩”のレイだった。「……今日、話を聞いてくれてありがとう」「離れたほうがいいですか?」「離れなくていい」○いにまかせて交わした軽いキス。ただのノリのはずが、気づけば距離はもう……引き返せないところまで。野球部仕込みの“面倒見”と“律儀さ”で先輩を支え続けるレイと、そんなレイの無邪気なまっすぐさにほだされていくリク。先輩後輩の枠を超えて、ふたりの関係は思いもよらぬかたちで揺れ動き始める。「“先輩”やめてみない?」一夜限りじゃ終わらない。かもしれない。BLVが贈る、“ノンケ×ノンケ”のぎこちない、でもどこか甘酸っぱい一線超え。初めてで下手くそな絡み、青春の残り香、そしてちょっとだけ未来の予感を添えて。あの日から止まっていた時計が、少しだけ動き出す














